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![]() 老舗記念館 |
武家屋敷地を南に下ったところに、 「老舗記念館」 という建物を見つけました。 金沢には天正7年(1579年)から続く薬種商の「中屋」があり、5代藩主綱紀から御殿薬の処方を取り扱うほどの家柄でした。 その中屋が明治11年(1878年)に建てた店舗兼住居が移築されて記念館になっていました。 (入場料100円) |
![]() 商家のたたずまいを伝えます。 |
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![]() 懐かしいねじ式の鍵 |
入場料を払って中に入ると、まず店の間に入ります。 ここは文字通りの店舗部分です。 |
![]() 店の間の看板 |
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![]() 薬種商らしい箪笥 |
店の間の壁際には、各種の薬を収めた引き出しのたくさんついた薬箪笥が置かれていました。 箪笥の前にはお客さんの相手をする手代さんたちの席があります。 |
![]() 解説板 |
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![]() 番頭席 |
店の奥、手代席を横から見る場所には、番頭さんの座る席がありました。 その番頭席を横から見る場所、一線を区切った場所には主人の間が設けられていました。 やはり主人は別格だったんですね〜 |
![]() 主人の間 |
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![]() きれいな生け花のようですが、 |
建物の二階は金沢の老舗や風俗を紹介する展示スペースになっていました。 ひときわ目を引く生け花ですが、実は作り物。 しかもお菓子でできたお花なんです。 すごいですよね〜 |
![]() 実はお菓子でできているのです。 材料は砂糖と餅粉とゼラチンだそうで |
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![]() 打ち掛け |
金沢の婚礼風俗の展示スペースがありました。 大正期くらいの中産階級の婚礼用品が展示されていました。 右のお菓子の詰め合わせは 「五色生菓子」 というそうで、三代藩主利常に将軍家の娘が輿入れした際に、二代藩主利長が城下の御用菓子屋に命じて作らせたものだそうです。 以後、現在に至るまで金沢の婚礼には必ず使われているそうですよ! |
![]() 五色生菓子 |
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![]() 豪華な水引細工の数々 |
右の写真は 「花嫁のれん」 というものです。 一生で一日だけしか使われないものですが、花嫁の家から娘の幸せを祈って送られるものなんだそうです。 婚礼らしい華やかな色に染められていて、真ん中にはおしどりが描かれていました。 その隣には、金沢が誇る水引細工も展示されていました。 |
![]() コチラは「花嫁のれん」 結婚式当日にだけ、 嫁ぎ先の仏間入り口にかけられたそうです。 |
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![]() すごく精巧で豪華なのです。 |
金沢は藩政時代から婚礼が華やかだったそうで、現在でもその名残があるそうですよ。 |
![]() コチラは亀さんの水引細工 |
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![]() 梅と松をかたどった水引 |
豪華な水引細工にびっくりです。 | ![]() 子宝に恵まれますようにと、 子生布(こんぶ)にも水引細工が |
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![]() 双鯛(にらみだい)の水引細工 |
さすがは百万石の城下町といったところでしょうか。 | ![]() 老舗記念館を後にしました。 |
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![]() 前田土佐守家資料館 |
老舗記念館の前には、 前田土佐守家資料館がありました。 こちらにも寄ってみることにします。 前田土佐守家というのは、初代藩主前田利家とまつの間に生まれた次男、 前田利政に始まる家系です。 前田利政は父である利家から能登に21万石を与えられ、 七尾城を居城としていました。 関ヶ原の合戦では西軍よりの立場であったために戦後改易となり、 所領は兄の利長に与えられました。 その後は京都で隠棲生活を送りましたが、 子の直之は祖母のまつに育てられました。 直之は12才の時にまつの願いもあって二代藩主利常に召し出され、 加賀藩の重臣となりました。 以後、明治維新まで10代を数えますが、そのうち4人が土佐守に任じられたので、 「土佐守家」という呼び名が付きました。 1万石の所領を持ち、加賀八家(かがはっか)と呼ばれた家老職の家柄でもあり、 利家とまつの直系でもあったので、別格の扱いだったそうです。 (二代藩主利常の母は側室) その土佐守家の古文書や甲冑などが保管・展示されていました。 |
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![]() 五色生菓子の一つ 「いがら餅」 (中はあんこでした) |
資料館を出て街をふらふら歩いていると、和菓子屋さんを発見。 なにか面白いものはないかと入ってみたら、ありましたよ! さっき見た「五色生菓子」が! 黄色に染めた米粒をつけた「いがら餅」を買ってみました。 黄色に染めた米粒が栗のいがを表しているそうで、 山の幸の象徴なんだそうですよ。 |
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![]() ぽぷら |
ふらふらと歩いてやって来たのがこちらのコンビニ。 何しに来たのかといいますと、 本・映画 「武士の家計簿」 で有名になった 猪山家 の屋敷が、ここにあったんですよ〜 昔は味のある純喫茶のお店があったそうですが、今はコンビニになっていました。 |
![]() コンビニの壁にかかった解説板 |
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![]() 復元されたいもり堀 |
金沢の繁華街香林坊を抜けて金沢城付近に戻ってきました。 最近の金沢城は復元工事ラッシュ。 駐車場だったところを発掘・整備しまして、かつての堀が復元されていました。 この辺りは本丸の裏手になりまして、巽櫓台が見えていました。 もっともこの辺りの石垣は明治以降に何度か破損して修理されており、江戸時代には赤破線部分の高さがあったそうです。 |
![]() 本丸巽櫓台 (江戸時代の石垣は赤破線部分) |
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![]() 鯉喉櫓台石垣 (りこうやぐらだい石垣) |
いもり堀に面した鯉喉櫓台も復元されていました。 | ![]() 金沢の中心街を望む |
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![]() 申酉櫓台下石垣 |
本丸南面にある、申酉櫓台下石垣です。 慶長期(前田利家の時代)に積まれた石垣(右側)に、寛永期(前田利常・光高の時代)の石垣が継ぎ足されているのが見えますか? 金沢城は規模が大きいため、いろんな時代のいろんな石垣を見ることが出来る楽しいお城です。 |
![]() 拡大 |
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![]() 三十間櫓 |
薪の丸跡からつづれ折の石段を登っていくと、本丸付壇にでます。 ここには国の重要文化財、 「三十間櫓」 が残っています。 金沢城独特の石落としには、前田家の家紋 「梅鉢」 がありました。 |
![]() 前田家の家紋 「梅鉢」 |
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![]() 橋爪門付近 |
二の丸では、最近復元された菱櫓・五十間櫓・橋爪門続櫓・橋爪門一の門に続いて、 橋爪門二の門 の復元工事が始まっていました。 お城ファンとしてはうれしいですが、金沢市の財政って大丈夫なのかな?(笑) |
![]() 復元イメージ |
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![]() 本丸石垣に開いた穴 |
明治維新以降、金沢城には陸軍第9師団司令部が置かれました。 この時に城内施設はそのほとんどが失われました。 この本丸石垣に開いた穴は、弾薬庫として使われていたものです。 お城ファンとしてはがっかりですが、 これもまあ歴史の証人ではあります・・・ |
![]() 菱櫓は美しいねえ〜 |
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![]() 金沢城下図 |
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![]() 金沢市を出発〜 |
急に空気がひんやりとしてきまして、雲が厚さを増してきました。 これはいかんっ!てな訳で、金沢市を後にします。 |
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![]() ゴーゴーカレー |
金沢のB級グルメとしてハントンライスはすでにご紹介しましたが、 金沢カレーなんてのも有名なんだとか。 国道8号線沿いにカレー店を見つけたので入ってみました。 後で調べるとチャンピオンとかいうお店の方が有名のようですが、 帰りを急いでいたのでチェーン店でもいいや〜と入ってみました。 金沢カレーというのはですね、 ○ルーが黒い ○トンカツが載っており、 ○付け合わせにキャベツが載っている ○ライスを覆い尽くすルー ○ステンレスの皿 ○フォークか先割れスプーンで食べる という特徴があるようです。 味ですか? ま〜ふつーにおいしいカレーですね(笑) まあ話のタネに、金沢にお越しの時はチャレンジしてみてね〜 |
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![]() 金沢カレー (ゴーゴーカレー) |
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![]() 車多酒造の建物 |
さて、お腹も大きくなったしとっとと帰るか〜と店外に出ると、雨が降り出しました。 がっくりしながらカッパを着て走り出します。 と、 天狗の舞 の看板を見つけて脇道へ入りました。 電柱に取り付けられた看板をたどって走ることしばし。 天狗舞の故郷、車多酒造に到着しました。 直販はされていないようなので、外から写真だけ撮りました。 旧松任市にあったんですね〜 知らなかったや(笑) |
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![]() 「天狗舞」の故郷です。 |
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![]() いい感じの建物です。 |
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![]() こちらは舟木酒造 |
雨の国道8号線を黙々と走ります。 手取川を渡り、井ノ谷峠を越えて福井県に入ります。 丸岡あたりで雨が上がり、ほっと一息つきます。 九頭竜川を越えて県道111号線を左折。 舟木酒造さんに到着です。 こちらでは 「北の庄」 というお酒を造っています。 創業は慶応2年(1866年)なので、14代将軍家茂が亡くなった年ですね。 創業以来4代にわたって酒造りを続けているそうです。 水は九頭竜川の伏流水を使っているそうです。 大きなシャッターの一部だけ開いていて、そこがお店になってて、 そこで直販もしていました。 声をかけると奥から女性の方が出てこられて対応していただきました。 もちろん、「北の庄」を買ってきましたよ(^^ |
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![]() 「北の庄」 を醸してます。 |
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![]() いい感じのお屋敷です。 |
だいぶ時間もおしてきたのですが、せっかく福井まで来てるので、もう一軒寄っていきます。 国道8号線に戻って国道416号線を西へ。 途中で国道416号線の旧道を走って県道10号線に少し入ったところに、 吉田金右衛門商店さんはありました。 創業は明治4年(1871年)だそうで、 小さいながらも全量純米酒の蔵元さんでもあります。 「雲の井」などの日本酒を造ってます。 この蔵元さんなんですが、これがですね、 絵に描いたような日本の蔵元さんでした。 最近の日本酒の蔵元さんといえば、町工場や工場のような建物で酒造りをしているところも多いのですが、ここ吉田金右衛門商店さんは、まさに蔵元のイメージ通りの建物なので感激しました。 建物を見るだけのためでも来る値打ちがありますね。 一度雪景色の時期に来てみたいです。 奥さま?に対応していただいたのですが、とても感じのいい方でしたよ(^^ 建物がすばらしい!と言うと、 福井地震の時もびくともしなかったというお話を伺いました。 すごいなあ〜 |
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![]() 絵に描いたような蔵元さんです |
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![]() 飲み頃でした(笑) |
もちろん冷やおろしを買って帰りましたよ〜 さて、時間も押していたので、福井北ICから高速道路にのって帰りました。 これにてあわただしかった2011年の誕生日ツーリングは終了です(笑) |
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北陸の酒と城 完 | |||
2012.2.25作成 | |||
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