5月の休日昼下がり。
 近場にお出かけしてまいりました。
 和歌山市にある「養翠園」です。
こちらの養翠園、第10代紀州藩主であった徳川治宝公によって造営された西浜御殿内の庭園です。
 名勝地であった和歌浦にも近いこの場所に、海水を引き入れた汐入の池を持つ珍しい庭園です。
 天神山と章魚頭姿山を借景として取り入れたこの庭園は、中国の西湖を模したといわれています。
 昔はもっと広大な敷地を持っていたのですが、いまはこの広さになってしまいました。
 かつての大名庭園の中で、唯一個人所有なんだそうです。
 地元の名勝は意外と行かないものですが、灯台もと暗しというやつで、なかなかの庭園でした。
 治宝公は表千家を保護し、当主をたびたび和歌山に招いています。
 また紀州藩領であった松阪出身の三井家とも深いかかわりがあり、三井北家6代高祐もここ西浜御殿を訪れています。
 治宝公は隠居後も藩政を握り、11代斉順、12代斉彊、13代慶福(のち14代将軍家茂)の三代にわたって影響力を発揮しました。

養翠亭
内部非公開
 現藩主側近との軋轢も多かったそうですよ。
 それはさておき、和歌山では数少ない名庭園。お近くにお越しの際はぜひどうぞ。

湊御殿
かつて別の場所にあった御殿を移築したもの
養翠園 完
2017.3.7作成
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