出発前、静かな緊張感
 私の遊びの師匠ともいうべき母方の叔父。
 その叔父とツーリング話で盛り上がっていたところ、
「東北には行ったことないのか?」と聞かれました。
 「いんや、行ったことないです」というと、
「へ?今まで北海道へどうやって行ってた?
「フェリーです」
「はぁ?フェリーだあ?自走で行かんかい!途中の東北はいいとこだぞ〜」とハッパをかけられました。
「でも東北遠いし・・・自走なんて無理ですよ〜」と言うと、
「この根性なし〜」と挑発されました。
 ここまで言われちゃあ行かなきゃどうします?(笑)北海道へ行く予定にしていた休みの計画変更。
 自走で北海道へ向かうことにしました。

徳光PA
 自宅を出て高速道路で北上を開始します。
 お昼前には石川県に突入し、徳光PAに到着しました。
 このPA、すぐ前が浜になっていて、バイクを置いて降りることが出来るんですよ〜
 しばし浜辺でのんびり久しぶりの日本海を堪能します。

浜ヒルガオ?
 浜にはヒルガオも咲いていました。
ちょっとゴミが多いのがなんなんですが、とても綺麗な海岸でした。
 昼過ぎには金沢市に到着。
このまま突っ走ってしまうのももったいないので、ちょっと寄り道していくことにしました。
 なんと無謀にも昼過ぎから能登半島の先っぽを目指そうというのです。
(>0<)〜OH!
さてうまくいくんでしょうか〜?

なぎさドライブウェイ
 やっぱりムチャでした(^^;
 おしりの痛みが限界に。
おまけに泊まろうかと思ってた「皆月YH」は営業してないって断られちゃうし。
 どうしようか悩んでいると、「なぎさドライブウェイ」の標識が!
 そういえばどっかのバイク雑誌で紹介されていたのを思い出しました。
寄ってみることにしました。
 ここは砂が非常に細かくてしまっていて、
波打ち際をバイクで走ることが出来る

んですよ〜すごいでしょ?
 私も映画の主人公になった気分で(錆も気にせず)波打ち際をばしゃばしゃバイクを走らせます。 

たくさん車も走ってます。
 遊び疲れてしばし休憩。
浜にはたくさん出店も出でています。
 週末だけあってお客さんもたくさん来ています。
夕日を見ていきたかったけど、新潟県の距離感がつかめないし、もうちょっと距離を伸ばしておくことにしました。

今宵の宿・・・のはずでした(泣
 なぎさドライブウェイも堪能したし、能登半島の先っぽはあきらめて富山県を目指します。国道415号を走り、氷見市から初富山県に突入。
 高岡市からは国道8号で富山市に入ります。
 今夜の宿を決めようと富山YHに電話するも、誰も出ません
(後で分かったんですが、廃止されていました。)
 ビジネスホテルに泊まろうかといったん富山市内に入り富山駅前に来ましたが、バイクを停められるところが分からなかったので断念。
今夜はキャンプすることにしました。
 国道8号線を東に向かいます。
どっかにキャンプ場はないかと走りますが、ちっとも見つかりません。
 そうこうしているうちに黒部川も越えて入善町に入ってしまいました。
 400キロを超える走行距離に音を上げかけた頃、
ようやくキャンプ場発見!

 園家山キャンプ場(たしか無料だった)に泊まることにした私。
 一応受付で名簿を記入し、事務の方にお風呂を確認。
 近くに銭湯がある、というのでテントを張ってから買い出しついでに入りに出かけました。
日が沈むとさすがに少し冷えます。
 スーパーで夕食を購入し、よ〜くぬくもった後、キャンプ場にもどりました。
 家族連れのキャンパーが騒ぐ中、7時頃から少しうとうとしかけました・・・
 「ぽたっ」
 「!」
 目が覚めました。「なんの音だろう?」
 「ぽたぽたぽたっ」
 「ひえ〜!!!」
 なんと雨がテントのフライシートを叩いている音だったのです。
「あんなにいい天気だったのに・・・」愕然とします。
 しかし雨はやみそうにありません。
このままフライシートをぬらしてしまうと翌朝の撤収が大変です。
思い切ってテントを撤収することにしました。
 ちょうどたたみ終わった頃、雨は本降りになりました。
「あ〜あ」

 管理棟の玄関で雨宿りしながら暗い夜空を見上げていました。
時計を見るとまだ10時過ぎ。夜はまだまだ長いです。
 このままここでじっとしているのは退屈な話・・・
結局疲れた体にむち打って移動することにしました。
 国道8号線に戻り、コンビニでコーヒーを飲みながらしばし様子見。
雨はやまないと判断し、23:00に再び新潟を目指して移動を開始しました。
 大型トレーラーが行き交う雨の8号線を東に向かいます。
有名な「親知らず子不知」も闇にとざされていて、波の音しか聞こえませんでした。
真っ暗な中、県境を越えて新潟県に入りました。
 糸魚川を過ぎた頃突然雨が激しくなり、雷が鳴り出しました。
闇を引き裂いて空が真っ白に輝きます。
「こわいよぉ・・・」
 真夜中の、しかも雷雨の中の走行なんてもちろん初めてです。
はっきりいって怖いです。
 あんまり怖いので国道近くの駅(駅名は忘れました)で雨宿りをすることにしました。
 時折空が真っ白に輝き、すさまじい雷鳴がとどろきます。
しばらく待ってみましたが状況はちっとも良くなりません。
結局30分ほどで再び走り出しました。
 雷のことはなるべく考えないようにして、景気づけに歌を歌いながら走り続けます。
間もなくガソリンが心配になってきました。
 幹線国道とはいえ、この時間に営業しているGSなんかありません。
不安だらけのまま、ひたすら東に向かいます。
 上越市街に入るとさすがに営業しているGSがありました。
ひとまず不安の一つは解消です。また走り出しました。
 米山あたりだったでしょうか?
ようやく雨がやみましたが、今度は気温がグングン下がってきました
 コンビニに飛び込んでカイロを購入します。
眠気覚ましにコーヒーを流し込むと、再び走り出しました。
 柏崎市付近で国道8号線に別れを告げ、国道116号線に入ります。
気温はグングン下がり、耐えきれないほどになりました。
 もともと夜には強くない私に、すさまじい眠気が襲ってきます。
ホントに苦しい時間でした・・・
 3時頃、空気のにおいが変わりました。朝のにおいがします。
 ふと目線をあげると、東の空が白みかけて来ていました。
雲は切れていて、もう雨の心配はないようです。4:00頃に夜明けを迎えました。
 もう眠くてたまりません。
ベンチで寝ようかと新潟駅に向かいましたが、新潟駅はまだ営業していませんでした。

新潟港の新日本海フェリー
 ふと、新潟港に新日本海フェリーのターミナルがあるはずだと思いつきました。
小樽からの船が5:00過ぎに入港することも。
 「仮眠できるかもしれない・・・」
 新潟港に向かいました。最初に佐渡汽船の方に行ってしまったのはご愛敬(^^
 ようやく到着した新日本海フェリーのターミナルはまだ開いてませんでした。
待つことしばし、5:00にようやくターミナルがオープン。
 ロビーの椅子に倒れ込むと、あっという間に眠り込んでしまいました・・・
自宅からここまでおよそ700キロを走りきりました。
 次に目を覚ますともう9時になってました。
フェリーは10時に出航するので、これ以上ターミナルにはいられません。
 さてどうしよう?本当なら先に進みたいところですが、この日の夜は新潟の友人と飲みに行く約束をしていました。
 だから今夜は新潟市内にいないといけません。
どうやって時間を潰そうか悩みました。

会津若松城本丸大手
 地図を眺めていると、新潟市から合図若松までは往復200キロちょいくらいなのに気がつきました。
 徹夜あけですが暇つぶしに出かけることにしました。
(おいおいムチャするねえ〜^^;
 国道49号線を東に走って福島県に突入。
しばらく走って県道にはずれます。
 近くにある喜多方でラーメンを食べようと思いついたからです。
 駅前でもらったラーメンマップ片手にお店に入り、喜多方ラーメンを堪能しました。
 国道121号線で会津若松へ。
白虎隊で有名な会津若松城
に向かいます。

若松城天守
 松平家23万石の居城、若松城はすぐ見つかりました。
 うーむ立派なお城です。

会津若松城天守と走り長屋

案内板
 それもそのハズ、このお城はもともと蒲生家や上杉家など100万石前後の大名のお城だったんですからねえ。
お城の北方を望む

城の東方、飯盛山付近
 天守ももともとは7層(今は5層)だったというくらいですからねえ。 
城の南方

走り長屋と天守
 白虎隊の悲劇を生んだ戊辰戦争で、天守をはじめ建物は多大な損傷を受け、また会津藩が朝敵とされたこともあってすべて壊されました。
現在の天守などはすべて復元されたものです。
 戦場となった若松は薩摩・長州をはじめとする官軍に破壊され、また会津藩の人々は男性はもちろん、女性も戦闘に加わってたくさんの犠牲者を出したそうです。
 降伏後も官軍の乱暴狼藉があったり、戦死者の埋葬を許されなかったり、斗南(青森県の下北半島付近)への国替えを命ぜられるなど、敗者の悲哀を味わったそうです。
 そういう理由で、いまだに会津地方では鹿児島・山口出身者との結婚は反対されることが多いと聞きました。
(つい最近でも、鹿児島県?山口県?のとある市が会津若松市に戊辰戦争の縁での姉妹都市提携をもちかけた時も断られてますしねえ。)

佐渡へ沈む夕日
 お城も見たし、新潟に引き返す事にしました。
帰りは高速ですっと帰るつもりだったのですが、
エライ強風
でまっすぐ走ることも出来ない有様でした。
 おまけにすごい眠気にも襲われるし・・・午後4時頃、ようやく新潟市に到着。
メルパルク新潟に荷物を放り込んで、友人に迎えに来てもらいました。
 警戒厳しいビッグスワンとか連れてってもらった後、
「みかづき」

新潟を代表するファーストフード
「イタリアン」
を買い込んで、宿に引き返しました。
 友人と酒盛りしながら、ワールドカップをテレビ観戦。
対戦相手は忘れたけど日本勝利だったもんで、二人で盛り上がりました〜
to be continued・・・
2005.10.29作成
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