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![]() 新府城北側の堀跡 |
さて、朝から城跡を二つも見たのに、 時刻は時刻はまだ8:30(笑) まだまだ1日は長いので、他も回ってみることにします。 そういえば武田勝頼が新たに築かせた 新府城 もこの近くのはず。 地図を見てみたら甲府市の二つ先の 韮崎市 にあるようです。 距離もそんなにないし、出かけることにしました。 国道20号線で韮崎市まで行き、 そこから標識に従って県道に入って新府城を目指します。 これがとってもわかりにくい(^^; 方向音痴の人ならあっさり間違うこと請け合いです(笑) 国道20号から141号線に入って すぐ右折 しないといけなかったんですが、 この道を見落とし、そのまま国道141号線を走ってしまったのです。 まあ、新府城は高台の上にあることは知っていたので、 他の高台に上がる道を見つけて事なきを得ました。 途中、郵便局でお金降ろしたので、 たぶん藤井郵便局の前の道を走ったんでしょう。 県道17号線を走っていくと、左側に新府城の看板が見えてきました。 北側にある駐車場にバイクを停めます。 |
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![]() 案内図 |
新府城は、 七里岩と呼ばれる、 屏風状に切り立った幅の狭い台地上 に築かれています。 長篠の合戦(1575年)の敗戦後、1581年に真田昌幸に普請が命じられており、 同年の年末には勝頼は居城をここに移しています。 翌1582年2月、木曾義昌が織田方に寝返ったため、 勝頼は出兵しますが、雪に阻まれて進軍は困難を極めます。 その間に伊那からは織田信忠、駿河へ徳川家康、 飛騨から金森長近、関東からは北条勢が武田領への侵入を開始します。 これをみた国人衆は動揺・離反を始め、勝頼はなすすべなく新府に戻ります。 ここでは支えきれないとみた勝頼は、 1582年3月に新府城に火を放って退去。 新府城はあまりに短い歴史を終えています。 (4ヶ月ほど?) その後の勝頼ですが、小山田信茂の居城である岩殿城(山梨県大月市)へ落ち延びようとします。 勝頼の正室は北条家の出であったので、相模(神奈川県)に近い岩殿を目指したのでしょうか? しかし小山田信茂は土壇場で織田方につき、進退窮まった勝頼は天目山(山梨県甲州市)に逃れ、 ここで自刃して果てます。享年37歳でした。 (ちなみに甲斐武田氏はこの天目山で2回滅亡しています。興味のある方は調べてみてね) その後の新府城ですが、本能寺の変後の甲斐・信濃争奪戦(徳川VS北条)の際、 徳川家康の本陣として利用されています。 この争奪戦は結局徳川有利で決着し、新府城は再び廃城になっています。 |
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![]() 出構え |
新府城の北側には大きな堀がありました。 その堀に突き出すように、 2カ所の出構え が設けられています。 写真で土塁のように見えるのがそうなんですが、 わかるかなあ・・・ 堀を進んでくる敵に対して横からの射撃を行うためのものだと言われています。 十字火線 (クロスファイア)は攻撃の基本ですからね。 |
![]() 反対側から |
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![]() 新府城案内図 |
新府城の大手は南に開かれていました。 現在、本丸跡に設けられた祠?への参道として東側に長い石段が設けられています。 メタボな我が身を見下ろしてため息をつきつつ、登り始めます・・・ 途中で段数数えるのあきらめました(笑) 「うおー」 といいつつ本丸跡に到着です。 |
![]() 長い石段・・・ |
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![]() 本丸 |
躑躅が崎館の本丸とほぼ同サイズらしいのですが、小さな祠があるだけなので、 だだっ広く感じます。 ここにわずか4ヶ月あまりしか住めなかった勝頼の胸中はいかに? |
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![]() 新府城解説板 |
最近解説板の写真がやたら多いのは、 家に帰ってからゆっくり読もうと取りあえず写真に撮ってるからです。(笑) 右は新府城の鳥瞰図です。 すこしは雰囲気をつかんでもらえるかな? 今はうっそうとした森になっているので、 なかなか脳内補完がムツカシイのですが・・・ |
![]() 新府城鳥瞰図 |
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![]() 本丸から北側の眺め たぶん八ヶ岳だと・・・ |
新府城は、その西側が ものすごい断崖絶壁 になっているんですよ! お城見物終わってからわざわざ見に行ったのですが、これが ものすごい高さ。 かなり切り立っていまして、 ここからの攻撃は無理だったでしょうね・・・ |
![]() 新府城西側の断崖 |
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![]() 二の丸 |
二の丸は本丸の西側にあり、躑躅が崎館の西の丸に相当していたと考えられています。 |
![]() 本丸土塁 |
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![]() 現在の道を下ります。 |
二の丸下には帯曲輪があって、そこを下っていくと東と西に二分された 三の丸 があります。 その南東隅に大手口があり、三日月状の土塁と堀を持った馬出がありました。 カメラマンの腕が悪くてわかりにくいですね・・・ すいません(笑) |
![]() 大手口の丸土塁 (あ~わかりにくいですね) |
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![]() かぼちゃほうとう |
さて、新府城を見たので、甲府市に戻ります。 さっき武田神社の宝物殿開いてなかったからね~ ・・・わざわざ戻ったわりには大したことなかった・・・ orz 気を取り直して カボチャほうとう をいただきます。 いかにも観光客相手のお店だったけど、うまかったからいいか~ |
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![]() 富士山 |
さて、まだお昼なんで、どこ行こうか思案。 富士五湖ってのは見たことないな~ってんで出発です。 国道358号線をひたすら南下。 どんくさいマイカーにいらいらしつつ、 精進湖に到着です。 しかし 富士山は大きい・・・ ご神体になるのが分かるような気がします。 |
![]() 何釣れるのかな? |
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![]() トウキビソフト |
お友達のちゃっくさんが、 「風穴前にあるお店のトウキビソフトおいしいよ」 と言っていたので、食べに行くことにしました。 うん、うまいです~ 近くに来たらオススメですよ。 |
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![]() ここからガスが抜けたんだそうな |
さて、この辺りは自殺の名所 「青木ヶ原樹海」 です。 なんでも磁石が使えないんだとか。 ほんとでしょうか・・・ 下手に道を外れて仏さん見るのやなので、 遊歩道だけ歩きます。 火山岩の上に生えているため、 まわりの木々の根が、 地表を這っているのがまた不気味です・・・ |
![]() 地下に根をおろせないので地表をはいます。 |
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![]() 溶岩棚 |
押し寄せる溶岩がそのまま固まった溶岩棚をみながら、風穴を目指します。 風穴というのはデスね、溶岩が固まる際にガスが抜けた跡でして、中は夏でも涼しいらしいんですよ。 |
![]() 富嶽風穴案内図 |
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![]() さて入りますよ~ |
さ、風穴に入ります。 階段の半ばくらいから空気が替わってひんやりとしてきます。 これジャケット着てないと寒いくらいです。 この時で3℃でしたね。 まわりの観光客はえらくはしゃいでました。 中には氷室もあって、氷を保管してました。 なんに使うのかな? |
![]() 涼しいというか、寒いんですよ |
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![]() 西湖 |
その後、小田原城が見たいと考えた私。 西湖から河口湖へと走ります。 富士吉田IC付近からの国道139号線で、 大渋滞に巻き込まれ、 かなりいらいらさせられます。 携帯で宿をチェックしても、 小田原あたりはいい宿がありません・・・ 「どうしようかな?」 と考えながら御殿場までやって来てしまいました・・・ ここから箱根越えってのは、あの忌まわしい箱根の渋滞を思い出すと避けたいところ・・・ 「よーし!!」 迷ったときは反対側へ。 御殿場ICから高速に飛び乗り、一路西を目指します。 「走れー走れー」 途中のSAで、富士宮焼きそばを称する食べ物を食べました。 「え~??!」 全然おいしくないんですよ・・・ こりゃ本場で再挑戦ですね! |
![]() あんましおいしくなかった・・・ |
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静岡ICで高速を降りまして、国道1号線に向かいます。 お友達ワタナベさんが勧めてくれていた、 「丸子のとろろご飯」 をいただくためです。 広重の東海道53次にも描かれた 丸子宿のとろろ。 江戸時代から続く 「丁字屋」 さんでいただきます。 |
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![]() 来ました |
注文することしばし、運ばれてまいりました。 おひつからご飯をよそってとろろをかけて・・・ 「いただきまーす」 もぐもぐもぐ・・・ 「うん、うまい!」 江戸時代、東海道を行き交う旅人と同じもの食べてるんだな~と思うと、ちょっとすごくありませんか? |
![]() いただきまーっす |
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![]() 田中城縄張り図 |
「まだだ!まだ終わらんよ!」 そうです、れんとはまだまだ走ります。 静岡から藤枝までやってきました。 なにゆえ藤枝かって? ここには 田中城 があるんですよ。 田中城は平地にある真っ平らな平城。 江戸時代は1万石から5万石までの譜代大名がめまぐるしく入れ替わりまして、 明治維新時の城主はは本多家(大身旗本出身)でした。 このお城が面白いのは、 その同心円状の縄張り。 全国でもここだけなんです。 確かに円には死角はありませんが・・・ 丸い堀を三重に巡らせた、 ちょっと小粋なお城なのです。 |
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![]() 二の堀 |
あっさり通り過ぎて見つけられなかったので、 警察署に行って聞いてきました。 国道1号線(バイパスじゃない方)の 「大手」 交差点を東に入ったところにあります。 それらしい地名だったのに・・・ なんで気がつかなかったんだお・・・ orz 気を取り直して、城跡巡りです。 かなり保存状態は悪いですが、 それでもそこかしこに遺跡が残っています。 まずは二の堀・・・ |
![]() 解説板 |
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![]() 大手一の門跡 |
田中城は16世紀初めに今川氏によって築かれますが、 1570年に武田氏によって攻め落とされ、その支城となります。 その名残の三日月堀と丸馬出があります。 1582年には徳川方によって攻め落とされますが、 その後関東移封によって徳川家の支配を離れます。 関ヶ原合戦後は酒井忠利(大老酒井忠勝(小浜藩主)の父)が1万石で入って、 今の姿に整備したようです。 |
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![]() ちょっと低くなってるのが三の堀跡 |
しかし宅地化が進んでいて、 城の遺構見つけるのは大変なんですよ・・ 花壇と思ってたら実は堀跡とか・・・ 駐車場の盛り土が、実は土塁だったり。 |
![]() 土塁跡 |
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![]() この看板がないと分からない(笑) |
杭のような標識を探しつつ住宅街を 徘徊します。 どう考えても怪しいヤツです(笑) 本丸跡は小学校だから、なおさら怪しい。 勘違いされたらいやだなあ・・・ |
![]() 本丸跡は西益津小学校 |
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![]() 道が微妙にカーブしているのが分かります? |
お城にそって道があるもんだから、微妙に左カーブになってます。 分かりますか? 地図でみるとほんとによく分かるんですよ! |
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![]() 三の堀に面した土塁跡 |
まあ城跡が宅地、農地化するときは、 堀跡が田んぼになるのパターンが 一番多いんです。 ここなんかまさにその実例ですね。 |
![]() この田んぼが三の堀跡です。 |
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![]() 姥が池 |
お城の西にある姥が池を見つけました。 その形から ひょうたん池 とも呼ばれるこの池は、 かつて田中城の水源として利用されていて、 太さ30センチほどの木管を城内まで引いて、 上水として利用していたそうです。 このため、池の周囲は石垣と柵で囲まれ、 厳重に警備されていたそうですよ~ |
![]() 解説板 |
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![]() 三の堀と土塁 |
中学校の校庭に沿ったところに、 三の堀と土塁が残っていました。 |
![]() 解説板 |
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![]() 武家屋敷跡の石垣 (お!バイクが写ってます。ツーリングぽいなあ) |
三の堀前のお宅には石垣と石段があります。 これは武家屋敷の名残なんだそうですよ。 さて、城遺跡探しもそろそろお終い。 ねぐらへ移動するとしますかね・・・ |
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![]() 田中城絵図 |
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![]() 現在の田中城 |
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![]() 杉井酒造 |
さて、まだまだ寄り道は続きます(笑)。 もう終わりだと思ったでしょ? 藤枝駅にもほど近いところに、藤井酒造さんという日本酒の造り酒屋さんがあります。 「杉錦」 という銘柄の日本酒を造っているところなんですが、 とある本でその名を見たので、どんなところか見たくて寄ってみました。 大きな道のちょっと奥、旧街道沿いにありました。 直販はされてなさそうだったので、取り扱っているお店を教えていただきまして、 そちらに行ってみることにしました。 |
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![]() 藤枝の地酒 「杉錦」 |
お酒も自宅に発送し、うきうき気分で走っていたら、 いきなりヘッドライトが消えました。 「ええ~~???」 あたりはすでに日没時 まだほのかに明るいですが、それも時間の問題 「やばい・・・」 この日の宿は吉田。 「あとちょっとなのに・・・・」 国道150号線は、前の車にぴったりひっついて走ります。 吉田ICまでもう少しのところで、 真っ暗闇。 ごまかしきれなくなりました。 「あかんか・・・」 無灯火はやばいってんで、バイクを降りて押し始めました・・・ 「まああと1キロないからね・・・」 こういうときは250CCのバイクは軽くていいです。 「押していこうかって気になるもんね」 最後は押したままゴール。 この日の宿に無事到着です。(笑) |
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杉井酒造で紹介していただいたお店で購入した 「杉錦」 です。 純米大吟醸(精米歩合50%以下など)で、生酛造りなんですよ!! 酵母を育てる際、雑菌の繁殖を防ぐために乳酸が必要なんですが、その乳酸を自然界に存在する乳酸菌を酒母に取り込む事によって得るという難しい方法です。 昔はすべてこの造り方だったのですが、乳酸を人工的に後から添加する方法(速醸もとと呼ばれる)が開発されて以来、速醸系の日本酒が主流になっています。 生もと造りはうまくいくと、生命力の強い酵母で発酵が進むために、低温でもしっかりと発酵が進むこと。 発酵末期の酵母の死滅率が低いため、死滅した酵母からよけいなアミノ酸が少なくなるのですっきりと仕上がるという利点があります。 ただ、乳酸菌を自然界に頼るために失敗しやすいという欠点があるため、現在では少なくなっているのですよ。 杉錦、おいしかったです。また買いに行こうっと。 |
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to be continued・・・ | |||
2010.2.24作成 | |||
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