玖島城入り口
 午後も半ばを過ぎた頃、ようやく長崎市内を出発して移動を開始します。
 向かった先は大村市。
 ずっと気になっていた場所です。
 大村は江戸時代、大村藩2万7千石の城下町でした。
 藩主は大村氏。藤原純友の子孫とされ、代々「純」の字を通字にしていますが、詳しいことはわかっていないようです。
 戦国時代は島原半島の有馬氏に従属していて、大村純忠が養子に入ったりしています。
 その純忠は熱心なキリシタンで、養父の位牌を焼き捨てたりしています。
 龍造寺氏に従ったりしましたが、豊臣秀吉による九州仕置きにも生き延びます。
朝鮮にも従軍して武功を立てています。
 純忠の嫡男である喜前(よしあき)は関ヶ原合戦では東軍について所領安堵され、そのまま大村氏は転封もなく明治維新を迎えます。

角堀跡
 この喜前の時代の1598年、大村湾に突き出た半島に玖島城を築いて居城としました。
長堀跡

二の丸大手門
 三方を海に囲まれた玖島を城域とし、陸側には長堀と角堀を二重に築いて守りを固めました。
 本丸は総石垣で固められ、二の丸は南側の大手門と北側のイロハ段にのみ石垣が築かれました。
 完成したのは二代藩主純頼の頃だそうです。
 絵図面を見る限りでは城内には大きな櫓などは建てられなかったようです。

穴門
 お城南側にある大手門から入ります。
 大手門右側には石垣に埋め込まれた穴門がありました。
 大手門枡形内に侵入した敵を背後から襲うためのものでしょうか?

穴門

現在の玖島城全図
 お城の図面が看板に載っていました。
玖島城本丸と二の丸大手門図面

二の丸大手門
 大手門は複雑な折りがあり、攻め入った敵が直進できないようになっています。
 一段登ったところに料亭梅が枝荘がありました。
 大村藩の台所番だった人が廃藩置県で職を失い、大村城内に料亭をつくったのが始まりだそうです。

二の丸大手門

大村寿司
 梅が枝荘では「大村寿司」の看板に心引かれました。
 大村寿司とは御飯とおかずをサンドイッチ上に積み重ねたお寿司なのですが、かつて所領を追われた大村のお殿様が大村に戻ってきた際、領民たちが御飯のうえに具を散らしたものをふるまい、脇差しで切り取ってこれを食べたところから始まったお寿司だそうです。
 この時はトルコライスでお腹いっぱいであきらめたのですが、後日某百貨店の物産展で再会しまして、ようやく食べることができました。
 とってもおいしかったですよ〜

本丸台所門
 本丸台所門から本丸へと入りました。
 本丸には御殿が建てられ、藩主が住んで藩政の中心地となりました。

本丸

虎口門
 本丸虎口門を出ると空堀と本丸の間にでます。
 

右が本丸石垣
左には空堀があります。

イロハ段から門跡を見る
 本丸北側の二の丸には石垣造りの門がありました。
 イロハ段と書かれているのがここだと思われます。
 搦め手口だったのでしょうか?

梶山御殿

御船蔵跡
 二の丸から空堀を挟んで三の丸があり、十代藩主であった大村純昌の別邸として建てられた御殿がありました。
 あと海に浮かんだお城らしく、御船蔵跡がありました。

ドック状の掘り込みがあり、
御座船などが保管されていました。

解説板
 大村湾は内海で海も穏やか。かつては水上交通が盛んだったのでしょう。
 海城らしい遺構です。

いかにも海城らしい施設ですね

波戸石
 もう一つ海城らしい遺構が。
 波戸石といわれる防波堤です。
 ここにも船をつないでいたと思われます。

板敷櫓から波戸石を見る

板敷櫓
 波戸石を見下ろす位置に板敷櫓があります。
 お城らしくていい感じのこの櫓は平成14年に建てられたそうです。
 が、玖島城絵図には重層の建物が描かれておらず、この櫓は実在しなかったもののようです。

板敷櫓

空堀には水がたまっていました。
 波戸石から三の丸を通って板敷櫓に登り、再び本丸跡にきました。 
 この一段高くなったところに藩主の居間があったようです。
 どんな御殿だったのでしょうかねえ?

本丸
御居間跡

いまは周りの陸地化がすすみ、海城の風情がなくなりつつあります。

大村線をまたぎます
 本丸東側から出て駐車場に戻り、走り出しました。
 小雨がぱらつく中を北上します。
国道34号線は海沿いの道で、天気がよければさぞかし景色もいいとおもえる道でした。
 

大村線千綿駅
 東そのぎ町からは国道205号線を走ります。
 ハウステンボスを通過して佐世保に向かいます。

ハウステンボス

早岐瀬戸

ビッグマン
 ようやく佐世保に到着。
 日没前に晩ご飯を食べます。
 ビッグマンというお店でハンバーガーいただきました。
 まいうーでございます。

佐世保バーガー

巨大でうまいのであります。

夕焼け
 弓張岳に登って夜景でもと思ったのですが、この日は意外と寒くて断念。
 山を下りて佐世保バーガーの名店ヒカリでもう一個ハンバーガーを食べた後、チェックインしました。

夕闇迫る佐世保の街
長崎にいきましょう 続く
2017.3.20作成
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