和歌山県境
 さて、普段なら活動を停止している12月も半ば。
 メタボ解消のため、6月を最後にサボっていたお散歩を再開します。
 今回は紀州街道を歩いてみることにしました。

和歌山・大阪県境にある石碑
日本最後の仇討ち場とあります。

境川の下を流れる境川の由来を記した木版
境川は払い川とも呼ばれ、葛城山系に
入山する修験者はこの川でお祓いしたのだとか。
 紀州街道とは、江戸時代中期から紀州藩や岸和田藩の参勤交代に利用された街道で、和歌山市にある京橋から、大阪市にある高麗橋を結ぶルートになります。
 大坂から和歌山への移動には海上輸送も盛んで、物資や人の移動はあまり盛んではなかったようです。
 今回はJR阪和線にある山中渓(やまなかだに)駅を下車して、和歌山へ向かって歩いて行きます。
 前日は雪も舞ったほどの寒い日ですが、元気に歩いていくことにします。
 山中渓からは府道64号線をてくてくと歩きます。途中、廃業したホテルなどの建物を見ながら少しずつ標高を上げていきます。
 やがて境橋に到着。旧和泉・紀伊国境は、現在も大阪府・和歌山県の境でありました。
 立派な石碑が建てられていまして、日本最後の仇討ち場とのこと。
碑文を読んでいくと、安政4年(1857年)土佐藩士同士の諍いがあり、一人は斬殺され、犯人は逃走します。
 斬殺された者には子供がおりまして、あだうち免許状を取って父の仇の行方を追っておりました。
 加太(和歌山市加太、当時四国からの船便などで賑わっていた)に潜伏していた仇を発見。紀州藩に仇討ちを申し出たところ、「仇を紀州藩領から所払いするので、国境で待ってて」とのこと。
 子供は境橋の和泉国側で待ち構え、紀州藩領を出てきた仇を見事に討ち取ったとのこと。それが文久3年(1863年)のことだったそうです。

中山王子跡
 境橋を越えてしばらく歩くと小さな集落があります。
 ここは滝畑集落で、和歌山市街には峠を越えていかないといけないのですが、和歌山市なのです。
 ここには熊野古道中山王子がありました。

熊野古道案内図

滝畑集落
 紀州街道は熊野古道と重なっている部分も多く、このあたりもそうなのです。
 滝畑にはかつて小学校の分校もありましたが、廃校になって久しいと聞いています。
 熊野古道は県道64号線となっていますが、阪和自動車道と絡みながら標高を上げていき、ついには雄の山峠(おのやまとうげ)を越えます。
 雄の山峠の南側は急斜面で、いわゆるつづら折りの道になっていて、ヘアピンカーブが続いています。

工事中の京奈和道和歌山JCT
 ヘアピンカーブを下ったところで、頭上に大きな建造物がありました。
 2017年3月に開通した京奈和道和歌山JCTで、歩いたときはまだまだ工事中でした。
 山の上に作られたJCTなので、かなり高い位置にあります。

ものすごく高い場所にあるのです。

2017年3月開通しました。

山口王子跡
 JCTの下を通ってしばらく行くと、県道64号線を外れて左下に降りていく道にはいります。
 ここに熊野古道山口王子がありました。
 このあたりは古代、雄の山口の湯屋と呼ばれていたそうで、現在も山口や湯屋谷という地名が残っています。
 山口王子は藤原定家の日記にも登場するそうですよ。

右 加太 淡島神社
 しばらく歩くと右に墓地があり、その中に道標が立っていました。
 淡島神社へと続く上淡路街道との交差点のようです。

左 和歌山 紀三井寺

山口神社参道
 熊野古道に沿って歩こうとしたのですが、よくわからなくなり、近世の紀州街道を歩くことにしました。
 山口宿を歩きます。現在、山口小学校のある場所が山口御殿と呼ばれた藩主別邸があったところです。
 山口宿は淡路街道と紀州街道の交点にあり、往時は大変賑わったそうです。
山口宿

川辺(かわなべ)にある旧家
 山口宿跡を抜けて川辺にやって来ました。
 このあたりに熊野古道川辺王子があったそうですが、スルーします。
 だんだん寒くなってきたところに、紀ノ川を渡河します。
 風が吹きっさらしで寒いこと・・・
 川辺橋を渡ったのですが、かつては渡しがあった場所です。
 昭和30年代〜40年代頃は、川辺郵便局から布施屋の駅に渡し船で鉄道郵便を取りに行っていたという話を聞いたことがあります。

その角にある道標
左 北 大坂みちとあります。

古代の熊野古道が不自然に迂回しているのは、
かつて沼などがあったからではないか?と言われています。

JR布施屋(ほしや)駅
 ようやく布施屋(ほしや)に到着。
 大和街道に合流しました。
 あんまり寒いので、ここから京橋は以前歩いたし、省略しました(笑)
 和歌山駅前の近鉄の地下で、おいしいラーメンいただきました。
 おすすめです。

冷えた体にラーメンがしみる〜

険しい峠越えでした
紀州街道をゆく 続く
2017.9.18作成
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